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「数日出ていないけど、体質だから…」
「便秘くらいで病院に行くのはちょっと…」
そんなふうに、便秘を“たいしたことのない症状”として放置していませんか?
便秘はたしかに日常的な不調のひとつですが、背景に病気が隠れている場合もあるため、注意が必要です。
「出ない」だけが便秘ではありません
医学的には、排便の回数だけでなく、
便が硬くて出にくい
強くいきまないと出ない
残便感がある
といった状態も「便秘」に含まれます。
原因はさまざまで、食物繊維不足・水分不足・運動不足・ストレス・不規則な生活などによって腸の動きが鈍くなるタイプが多く見られます。
一方で、大腸がんや腸の狭窄、甲状腺機能の異常など、病気が関係しているケースもあるため、「いつもと違う便秘」には注意が必要です。
自分でできる便秘対策
まずは生活習慣の見直しから始めてみましょう。
十分な水分摂取(1日1.5〜2Lを目安に)
野菜や豆類、海藻などの食物繊維の摂取
朝食後にトイレに座る習慣づくり
軽い運動やお腹まわりのマッサージ
これらを試しても改善しない場合や、便秘の頻度が増えてきた場合は、專門医療機関での相談をおすすめします。
病院を受診した方がよい便秘とは?
以下のような症状がある場合は、消化器内科への受診をご検討ください。
市販薬を使っても改善しない
便に血や粘液が混じる
腹痛やお腹の張りを伴う
急に便通のリズムや性質が変化した
原因不明の体重減少がある
これらは、精密検査が必要になるサインかもしれません。
当院での便秘診療
便秘と一口にいっても、原因やタイプは人それぞれ異なります。
当院ではまず、現在の便通状況や生活習慣、服用中の薬の有無などについてお話をうかがいます。
そのうえで、必要に応じて以下のような検査を行い、原因を明らかにしたうえで適切な対応を進めていきます。
血液検査:甲状腺機能、炎症反応、電解質異常などを確認。
腹部エコー:便のたまり具合や、他の臓器に異常がないかをチェック。
大腸カメラ:がんや腸の炎症・狭窄など器質的疾患を除外するために実施することがあります。
CT検査:必要に応じて、連携する画像診断施設でCT撮影を行うことも可能です。撮影画像は読影専門医による診断と、当院での画像確認をあわせて、しっかりとご説明いたします。
治療では、生活習慣の見直しに加えて、便秘のタイプに応じた薬の選択を行います。
たとえば、
腸の動きが鈍いタイプには「腸を刺激する薬」
便が硬いタイプには「便をやわらかくする薬」
ガスや腹部の不快感がある場合には「整腸剤」や「消化管運動改善薬」
など、症状や体質に合わせて適切に使い分けます。
市販薬には、腸を直接刺激して排便を促す「刺激性下剤」が多く含まれています。
これらは短期間で効果が期待できる一方、長期的に使用すると効きにくくなることや、腸の動きに影響を及ぼす可能性も指摘されています。
自己判断で使い続けず、医師と相談しながら適切な治療方法を選ぶことが大切です。
ご希望やライフスタイルに応じて、できるだけ負担の少ない治療法を一緒に検討していきます。
「薬にはできるだけ頼りたくない」「自然な形で改善したい」という方にも、無理のない治療をご提案しています。
たかが便秘、されど便秘。
つらさを我慢したり、市販薬でやり過ごす前に、ご自身の体の変化に目を向けてみませんか?
“ 安心のために受診する ” という選択肢も、ぜひ知っておいてください。
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