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胃カメラ・大腸カメラは何年ごとに受けるべき?|名古屋市の内視鏡専門医が詳しく解説

胃がん・大腸がん・食道がんは「早期発見」が何より大切

「健康診断で異常がなかったから、しばらく検査は不要」と思っていませんか?

胃がん・大腸がん、そして食道がんは、初期の段階ではほとんど自覚症状がありません。
しかし、早期に発見できれば外科的な手術を行わずに、胃カメラや大腸カメラによる内視鏡治療(ESD・ポリープ切除)で根治が可能です。
早期発見ができるかどうかで、その後の治療内容や体への負担は大きく変わります。

日本は世界的にも胃がん・大腸がんの発症率が高い国です。
さらに近年では、食道がんの発症も増加傾向にあります。
これらを「早く」「正確に」見つけるためには、定期的な内視鏡検査が欠かせません。

今回は、内視鏡専門医・消化器病専門医の立場から、胃カメラ・大腸カメラをどのくらいの間隔で受けるべきかをわかりやすく解説します。

胃カメラを受ける頻度について

胃カメラは、食道・胃・十二指腸の粘膜を直接観察できます。
胃がん・食道がん・ポリープ・潰瘍・逆流性食道炎などの診断に有用な検査です。

特に胃がんは、ヘリコバクター・ピロリ菌感染が主な原因とされ、感染の有無や胃粘膜の萎縮の程度によって、推奨される検査の間隔が変わります。
早期発見できれば、胃カメラによる内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)で根治可能です。

ピロリ菌陽性(除菌治療をしていない方)

まずは胃カメラで感染の有無と胃粘膜の状態を確認し、除菌治療を早期に行うことが重要です。
(保険診療上、胃カメラを受けずに除菌治療を行うことはできません。)
そのうえで、萎縮の程度に応じて検査間隔を決めていきます。

ピロリ菌除菌後の方

除菌後は、萎縮性胃炎(慢性胃炎)の程度によって胃がんリスクは異なります。

  • 高度の萎縮性胃炎がある方
     → 胃がんリスクが高く、1年ごとの胃カメラ検査を推奨します。

  • 軽度の萎縮性胃炎がある方
     → 2〜3年ごとでも差し支えませんが、早期発見を重視する場合は年1回が安心です。

ピロリ菌未感染・胃炎なしの方

『胃がんになる危険性は低いため、定期的な内視鏡検査はあまり勧められない。ただし、症状がある場合にその原因を調べるための内視鏡検査や、検診として受ける内視鏡検査はこの限りではない。』(日本消化器内視鏡学会) とされています。
しかし近年はピロリ未感染胃がんが増加していることが報告されており、完全にリスクがないわけではありません。
症状がある場合やピロリ未感染胃がんを早期発見するための検診目的としては、1~2年ごとの定期検査も選択肢となります。

食道がんにも注意が必要

食道がんは、飲酒・喫煙が主なリスク因子であり、特に男性に多い疾患です。
進行が速く、早期に見つけられるかどうかが予後を大きく左右します。

早期であれば胃カメラによる内視鏡的切除(ESD)で根治が可能ですが、
進行すると食道全摘手術
など大きな治療が必要になります。

飲酒・喫煙などのリスクがある方は、定期的な胃カメラ検査をぜひご検討ください。

大腸カメラを受ける頻度について

大腸カメラは、大腸の粘膜を直接観察し、大腸がんやポリープ、炎症性腸疾患などを早期に発見できる検査です。
特に大腸がんは、ポリープの段階で発見・切除できれば予防が可能な数少ないがんの一つです。

日本における大腸がんの現状

日本では近年、大腸がんの罹患率(新たに診断される人の数)・死亡率ともに増加傾向が続いています。
最新のがん統計(国立がん研究センター2023年発表)によると、

  • 罹患数では男女合わせて1位

  • 死亡数も、男性で2位、女性で1位

つまり、日本人に最も多いがんのひとつが「大腸がん」です。
食生活の欧米化や高齢化が背景にあり、誰にでも起こりうる身近ながんといえます。

40歳を過ぎたら、自覚症状がなくても定期的な大腸カメラ検査を受けることが早期発見・予防につながります。

 検診で「便潜血陽性」と言われた方

便潜血陽性は、大腸内に出血を伴う病変があるサインです。
ポリープや大腸がんなどの可能性があるため、できるだけ早めに大腸カメラを受けることが重要です。

「陽性=がん」という意味ではありませんが、精密検査を受けなければ原因はわかりません。

ポリープ切除後の方

大腸ポリープを切除した方は、再発や新たなポリープの発生に備えて定期的な内視鏡フォローが必要です。
一般的な目安は以下の通りです。

所見次回検査の目安
小さな良性ポリープ1〜2個3年後
3個以上または10mm以上の腺腫1〜3年後
がんや高異型度腺腫1年以内

(出典:日本消化器内視鏡学会ガイドライン2023)

家族に大腸がんの既往がある方

大腸がんは遺伝的要因の影響もあります。
両親や兄弟姉妹に大腸がんの既往がある場合、40歳を過ぎたら1〜2年ごとに大腸カメラを受けることが望ましいとされています。
(家族性大腸腺腫症やリンチ症候群などの場合は、さらに短い間隔でのフォローが必要です。)

胃カメラと大腸カメラは同日検査も可能

「何度も通院するのは大変」「一度で終わらせたい」という方には、胃カメラと大腸カメラの同日検査がおすすめです。

当院では、

  • 鎮静剤を使用して眠っている間に検査を実施

  • トイレ・テレビ付き完全個室で下剤を服用

  • 検査後はリカバリールームでゆっくり休憩

といった環境を整え、快適で負担の少ない検査体制を実現しています。

同日に検査を行うことで、絶食や来院の手間を1回にまとめられ、結果説明も当日に行うことができます。忙しい方にもおすすめです。

定期的な内視鏡検査で「見逃さない安心」を

内視鏡検査は、胃・大腸・食道のがんやポリープを早期に発見・治療するための最も確実な方法です。
症状がなくても一定の間隔で検査を受けておくことで、外科的手術を避けられるケースも多く、からだへの負担を大きく減らすことができます。

当院では内視鏡専門医・消化器病専門医が診療を行い、AI搭載の最新内視鏡システムを用いた高精度な検査を実施しています。鎮静剤を使用した苦痛の少ない検査も可能です。

名古屋市中区・伏見駅/丸の内駅すぐ、名古屋駅からもアクセス良好。
胃カメラ・大腸カメラの検査時期でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

 

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